中味汁
一口メモ
親戚、知人が一堂に会しご馳走と酒を囲み、新たな一年の繁栄を祈る。
沖縄では現在でも、旧暦の1月1日に年始めのお祝いをする地域があります。各家庭では、門やヒヌカンに若松を飾り、仏壇や床の間に若木や花を生けて正月飾りを施します。そして皆が晴れ着に袖を通し、祖霊へ香を焚き、改まった気持ちで新年を迎えます。
元日の早朝は、子どもたちが産井(ウブカー)に若水(ワカウビー)を汲みに行く習慣がありました。若水は人を若返らせる力があると信じられていたため、手足を洗い清めたり、茶をたてて仏壇に供えて家族の健康と繁栄を祈願していました。
正月料理には豚肉正月と言われるほど豚肉がよく使われ、膳や酒宴用の東道盆(トゥンダーブン)に盛り込まれます。縁起のいいソーメンの汁や田芋田楽、昆布巻きなどもよく食べられていたようです。
材料(5人分)
・中身(豚の大腸、小腸、胃)/300g
・小麦粉/適量
・油(一度使用したもの)/大さじ5
・椎茸/3~4枚
・豚だし・鰹だし/5カップ
・塩/小さじ1・1/2
・醤油/少々
・ヒハチまたは下ろし生姜/少々
作り方
① 中身はぬらしてたっぷりの小麦粉でもみ洗いを2~3回くりかえし、すべすべになるまでよく洗う。
② 鍋に油を熱し、①の中身を炒めて湯洗いする。
③ 別鍋に②の中身とたっぷりの水を入れて煮立て、茹で汁がにごったら茹でこぼしを何回も行いながら手でちぎれるようになるまで茹でる。
④ すっかり軟らかくなった③を長さ5~6cm、幅8mm~1cmの短冊に切り、たっぷりの熱湯に入れて2回ほど茹でこぼし、ざるに取る。
⑤ 椎茸は水に戻して中身と同じ長さに薄切りにする。
⑥ 鍋に分量のだしを煮立て、④の中身と⑤の椎茸を入れて塩、醤油で調味し、10分ぐらい弱火で静かに煮て味をなじませる。
⑦ 吸物椀に⑥を盛りつけ、香辛料にヒハチまたは下ろし生姜を入れて供する。