本日1月19日は第3木曜日「琉球料理の日」です。
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ターンム(田芋)とムジ(ずいき)
沖縄特産のターンムは、水のきれいな水田で栽培される里芋の一種で、水芋とも呼ばれています。うす紫色で独特の香りと味、粘りが特徴です。
現在、水の豊富な宜野湾市の大山と金武町の水田で栽培されています。かつては各地に栽培地がありましたが、現在は住宅地になっている那覇市真嘉比川原(マカンジャーラ)のターンムが有名でした。
親芋の周りに子芋、孫芋がつくことから、子孫繁栄を意味し、縁起の良い食材として、正月、盆、祝い事、行事食などには欠かせない食材ですが、
法事には広がるという意味合いもあり、ターンムは使われません。
植え付けから収穫まで約1年かかり、季節を問わず植え付けられるので年中手に入りますが、需要の多い盆や正月用に逆算してたくさん植え付けられます。ターンムは、生では出荷されず、ゆでるか蒸していますが、いいターンムは皮にひび割れが入るので、求めるときの目安になります。料理としては、ターンムディンガク、ドゥルワカシー、ターンムのから揚げ、トゥンジー(冬至)ジューシーなどに使われます。
ターンムはムジ(ずいき)も食します。ムジはアクが強く触れるとかゆくなることがあるので、注意が必要です。筋を取って水にさ らし、ゆでて使います。ムジの汁(ムジ、豚肉、豆腐の味噌汁)や和え物などに使われます。ムジの汁は、出産祝いに用いられ、近隣に大判振る舞いをした時代があります。独特の触感と香りがおいしく、またこの季節には体が温まると喜ばれます。
ムジに似たものに高知県特産の「琉球=ハスイモ」があります。ハスイモは、地下に芋を作らず、ずいきを食用とするものです。シャキシャキとした食感が特徴です。ハスイモもターンムもサトイモ科の植物で、サトイモ科の植物の総称が「タロイモ」です。日本では輸入のサトイモを「タロイモ」と呼んでいます。
那覇市史によると、昔の首里の正月の記述に、仏壇に黄、赤、白の紙を重ねて置き、その上にクガニクニブ(九年母)またはみかん、炭と昆布、ターンムを供えてとあり、ターンムは正月にはなくてはならないものだったことが伺えます。
また金城須美子先生の論文にはターンムは,袋中上人の『琉球 往 来』(1603)には王府への貢物の中に田芋がみられ、甘藷導入以前の15世紀半ばには栽培されていたと思われると記されてます。
先生ありがとうございました。
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松本嘉代子監修 琉球料理のきほん
琉球料理は、地域の風土に合わせた独自性と、医食同源に基づいた思想が特徴の料理です。